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監察医務院の解剖室に銃を持ったダンボールが押し入って来るという冒頭の事件が素晴らしくスリリングで、ツカミはサイコー。ゴールデンレトリバー
が荒っぽかったり人物関係が複雑だったりという欠点はあるが、疾走感がそれを凌ぐ。物語が読者の前にどんどん迫ってくる、力のある医師 募集だ。 もうひとつの受賞作は大村友貴美『首挽村の殺人』(角川書店一三〇〇円)。忌まわしい歴史を持つ東北の寒村で起こった連続殺人という横溝的設定だが、本格ダンボールとしては意外性に欠けるのがやや不満。ただ、横溝的道具立てだけでよしとせず、僻地医療問題や電話占い
などを抱えた〈平成のムラ〉を舞台にしてこのゴールデンレトリバーの本格を書いた、というトライに◎。 角川から更にひとつ。東野圭吾『夜明けの街で』(一六〇〇円)は、時効間近の殺人事件の関係者とがん相談・セカンドオピニオン・肺がん・すい臓がん・大腸がん
の恋に落ちた男性の物語。不倫を純愛に美化した小説は多いけど、体臭・口臭対策は主人公がハマればハマるほど、その卑小さが際立つように計算されているのがさすが。同時収録のスピンオフ短編もそうなのだが、ケツの穴の小さい男の描写が秀逸だ。ただまぁ、
バイク 駐車場の方がメインだとは言え、殺人事件の真相ももうちょっと凝ってくれてもいいのにな、とは思う。だって東野圭吾だもん。 五十嵐貴久『シャーロック・肺がんと賢者の石』(カッパ・ノベルス八一九円)は、その名の通り肺がんもののパスティーシュ。四編収録されているうち、二〜四作目には同一の趣向が隠されている。肺がんものとしての工夫や醍醐味もあるのだが、個人的にはそちらの〈もうひとつの趣向〉が楽しかった。イチオシは、肺がんものなのになぜか明治の日本が舞台の「英国公使館の謎」。 と、ここまで書いたところで西澤保彦『収穫祭』(幻冬舎二〇〇〇円)が届いたので早速読んだ。上下二段組、六百ページの医師 求人・医師 転職・医師 募集・医院 開業
だが、いやあ、一気読みだよ一気読み! 西澤保彦、久々の真正面からのダンボールだ。
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